日にち薬っていうけど。
日にちが治癒力をもっているとは思わない。
傷は、空気に触れているとだんだんかさぶたができて、あー、日にちが経つとやっぱり治っていくんだなーと思うけど、かさぶたの下はまだ癒えていないこともある。
かさぶたができて安心していたら、はがれた下から血が噴き出すこともある。
日にちが経ったことで安心していたら、不意に悲しみが襲ってきたりもする。
こころの傷や喪失感は、決して元の鞘にはおさまらない。
後戻りしたくても、できない。
日にちって、残酷なもの。
でも、ひとは一生、日にちと一緒に生きていかないといけない。
どう転んだって、逆らえないもの。
それなら、日にちとなかよく、暮らしていかなければ、ね。