小さいとき、だんじりが恐怖だった。
だんじりが近づいてくるだけで、だっこされながらも怖くて泣いていた覚えがある。
ビジュアル的にダメだったのではない。
遠くから聞こえる音が、本質的に怖かった。
太鼓の音か?
消防車も恐怖だった。
これも、消防車そのものではなく、遠くで聞こえるサイレンに戦慄をおぼえた。
聞こえたら、不安で不安でたまらなくなり、耳をふさいでいた。
サイレンの音に拒絶反応?
でもパトカーや救急車は平気だった。
いま思うと、両方ともの共通点がある。
かねの音だ。
かんかんかん、という、あれ。
あのおと、あきません。
なんでか、直接、神経に作用する。
もしかしたら、魂の奥のへんにこわい記憶がくっついているのかな。
だんじりは楽しい。
消防車もこわくない。
でも、かんかんかん!は、どうしても、いまでも、うすきみわるい