朝、ホームにすべりこんできた快速電車はかなり込んでいた。
ぎゅうぎゅう詰めではないが、扉付近にも人がかなり固まっている。
でもいつものこと。
なるべく密度の低そうな扉を選ぶ。
扉があいて乗ろうとしたが、立っている人たち、まったく動こうとしない。
とくに、サラリーマン風のオッサンがひとり、入口をふさぐ感じで仁王立ちになっている。
不気味に、まったく表情ひとつ変えない。
まるでそこに始めから設置されている蝋人形みたい。
乗れないじゃん・・・
しかたなく、無理やり入り込む。
ふつう、こんなパターンでは、オバサンが多いけど。
オッサン、「入れたるかいっ」とばかりに、ふんばる。
こっちもがんばる。「すいませ~~~ん!ごめんなさ~~い!」
なにせ、コロコロまであるからスペースが必要なのだ。
強引に入り込んだ。ふぅ。
中に入れば、かなりスペーシーで、本も読める感じだった。
なんやねん!
一瞬やけど、無駄に疲れたわ。
しかし、何故にがんばる、あのオッサン!?
ぎょっ!
もしかして、ほんまもんの蝋人形やったんかも・・・?