人間は機械じゃない。
計画通りには機能しない。
正確無比には働かない。
どれだけ完璧に近づいたとしても、永遠に完成することはない。
なぜか。
人間は、生身だから。
傷ついたり、動揺したり、もがいたり、押しつぶされたり、する。
機械だって、故障はする。
ましてや、人間がこわれたって、あたりまえ。
どんなに緻密で周到な計画に則っても、ときには土壇場でコケる。
人間の身体には、ICチップではなくて、血液が流れ、神経が張りめぐらされ、感情が溢れている。
だから、いとおしい。
オリンピックを見ていて、もどかしくも結果を出せなくて、肩を落としたり号泣したりしている選手に、駆け寄っていって抱きしめたくなる。
もろさに、共感してしまう。