年一度の健康診断のシーズン。会社近くの検診施設に行く。
すでに沢山のひとたちが待っている。
みな、淀屋橋あたりで働くひとたち。
おそろいのパジャマみたいな診察着を着て、憮然として座っている。
大手企業の管理職であろうが、エリートサラリーマンであろうが、みなスーツを着替え、家でくつろぐような、いや、それよりもっとみすぼらしいかっこになって、ひたすら名前を呼ばれるのを待っている。
男子はぼやけたグリーンやブルー。女子は、きびしいピンクにえんじの縁取り。
上下でビミョーに色や柄がちがったりして、なんだかちぐはぐなオジサンもいる。
会社の上司がいても、気が付かぬふり。
おそらくむこうも。
ここでは会社の規模も、地位も、職位も関係ない。
全員が、無防備。
花のビジネス街に、昼間、このような空間が存在すること自体が、なんか、かなしい。