ちいさいとき、寝るのがある意味、こわかった。
ながいながい夜じゅう、眠れなかったらどうしよう・・・
ベッドに入ったら、ふとんを掛けてくれる母に毎日毎日きいていた。
「寝られなかったら、ずーーーっと目あけてていい?」
「いいよ」
「あしたまでも?」
「はい」
「あさってまでも?」
「はい」
「しあさってまでも?」
「はい」
「ごあさってまでも?」
そうやって、離れていく母に向かってずーっと言い続け、「じゅうさんあさって」ぐらいになると、だ~んだん意識が遠のいていく。
いま考えると、ずーっと目を開けているほうがしんどいのに、なんでそんな質問を繰返していたのだろうか・・・?
多分、「こどもはよる遅くまでおきてたらいけない」という思い込みに縛られていたのかもしれないな。
夜になったらスヤスヤ眠るのが、いい子供。
だけど、もし寝られなかったら大人みたいに目あけてていいよね?
いつまでも起きていられる大人への憧れもあったのかな。
いまのわたしは、周りにこう聞きたい。
「ねむたくなったらすぐ目つぶってもいい?」
聞かんでもそうなってるって?
だれかの演奏中でも?
会話の途中でも?
・・・きをつけます