「帰ってくれればうれしいわ」(You’d Be So Nice to Come Home to) とか、
「時の過ぎ行くままに」(As Time Goes by) とか、
「あなたはしっかり私のもの」(I’ve Got You under my Skin)とか、
ジャズスタンダードナンバーの邦題には、勘違いをまねくものが多い。
帰ってくれれば・・・は、(戦場などから)帰ったときに暖炉のそばなんかに君が僕を待っててくれたらええのにな、という男の歌だし、
時の過ぎ行く・・・は、どんなに時が経過しても男と女のドラマの基本はずーーと変わりまへん、という、恋愛賛美的な歌だし、
あなたはしっかり・・・に至っては、おさえこんで自分のものにするどころか、気持ちも伝えられてなくて、「うまく行くわけないやろな」とか「でもあきらめられへん!」とか自分の観念のなかだけでグジグジグジグジしている歌である。
そんな歌詞に、歌うひとの声や生い立ちや現状や性質や想像力やそのときのメンタリティがブレンドされて、一曲一曲が、味やにおいの異なるアートになる。
ときには、歌詞には書いてない景色が見えてくることだって、ある。
うーーん、ジャズボーカルの不思議。
追求していくよ、おばあさんになって声が出なくなっても耳が聞えなくなってもね!
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HPのAiko’s Translation Corner に訳詞3曲追加しました~~
Enjoy!!
http://homepage3.nifty.com/jazz-aiko/songs.htm