子供のころ、サケ缶のなかに骨をみつけると嬉しかった。
ひやむぎのなかに、ピンクやグリーンの麺の糸をみつけたときも嬉しかった。
アイスキャンディーを食べ終わった棒に「あたり」とあると嬉しかった。
卵を割ると黄身がふたごのとき、嬉しかった。
クローバーのなかに四つ葉をみつけると嬉しかった。
砂場の砂のなかに、光る雲母のかけらをみつけると嬉しかった。
早春の土手に土筆をみつけると嬉しかった。
その瞬間、ぽっと電球がついたみたいな。
宝物をみつけたような、得した気分。
大人になってからも、時々ある。
ミックスナッツの皿の中に、食べつくしたはずのピスタッチオを発見したとき。
ボールを探しに入ったOBゾーンに、明らかにおろしたての高価なボールを見つけたとき。
おびただしい数のタクシーのなかからワンコインタクシーを停められたとき。
スーパーのレジで、「今回、500円券が出ております」と手渡されたとき。
久しぶりに着たジャケットのポケットから、使いさしの地下鉄回数カードが出てきたとき。
ふっと夜空をみあげたら、思いもかけぬ完璧な満月が輝いていたとき。。。。
ごく最近では、
譜面の間に茶色い封筒、
あけたら、いつかのどっかのギャラが封をあけずに!
電球、ぴかぴかっ!☆☆☆