♪おとぎ~ばなしの王子でも、むかし~はとても食べられない・・・♪
小さいころ、カップアイスを手にしたときのわくわく感、覚えている。
紙のふたをあけると、まずふたの裏を舌でおそうじ。
うまっ!
でも、おたのしみはこれからだ。
ひんやり冷たい紙の容器を、小さい手で必死で持つ。
だんだん容器が汗をかいて、ぬれてくる。
表面が固まっていて、なかなか崩せないのを、必死でこそげる。
やっと口に入る、まほうのペースト。
濃厚な甘さ、頭のてっぺんにキーンと来るつめたさ。
木べらは、味がしないはずだが、木べらの味が、する。
アイスを引き立てる貴重な脇役だ。
たべ進むうちに、必死で支える指の温度も手伝って、だんだんとろ~りとやわらかくなる。
やばい!
溶けてしまわないうちに食べ終わらねば!
必死で口に入れているうちに、もう口の中が麻痺してくる。
あたまはキーーンとなったまま戻らない。
最初のわくわく感は遠のいて、とけようとするアイスとのいたちごっこになる。
冷たすぎて、進まない。
やわらかさがピークに達すると、なんだかもうイヤになる。
まほうが、解ける。
パインアイスというのもあった。(今でもある?)
シャーベットがパイナップルの輪切りの形をしている。
大好きだったが、小学生のある日それをたべたあと、めちゃくちゃお腹をこわして熱も出して寝込んだ。
それ以来、パインアイスは食べられない。
シュクっとした歯ざわりと、すぐ歯に伝わるつめたさ。黄色い色。 トラウマ。
でも、書いているうちに、なんや、アイス、食べたくなってきたぞ。
体質、確実に変わってるし。(あたりまえやろ!)
もうお腹をこわさない自信あるし!(それもあたりまえやろ)
魔法にかかってみようか。
♪ぼくは王子ではないけれど・・・♪