昼、出発して、長時間、飛行機に乗っていた。
白金に輝く雲の上をふわふわ浮かんでいるような飛行だった。
気がつけば、外は夜のようだ。
窓から外をのぞいた瞬間、「あっ!!!!」
巨大な満月が、すぐそこに、おなじ高さで浮かんでいる。
でかっ!
「コ、コ、コンニチワ、いえ、コンバンワ!」
「あ・・・ワシとしたことが、こんな間近で見られてしもた・・・」
満月と、生まれて初めて会話を交わした。
その後もしばらく、まるで飛行機をボディガードしてくれるように傍についていてくれた。
NYについてからも、摩天楼の上に濃厚な卵の黄身みたいな存在感を示したり、イーストリバーの上で金貨みたいに輝いてみたり・・・
「おーい、きょうはここやで~~! 飲み過ぎたらあかんで~~」
滞在中、すこしずつやせ細りながらも、ずっと見守っていてくれた。
まるでMoon Glowの歌のように。
おつきさん、ありがとう!