休日の朝、たまたまTVをつけたら、ちょうど映画が始まったところだった。
女性が泣きながら走っている、走って走って、突然道路に飛び出し、ちょうど来た車にゴン!とはねられ、血だらけになって倒れる。
「Oh, my God!!」「救急車よんで!」周りの喧騒・・・
テロップが流れる。
「She is not dead…………. 彼女は死んでいない。この映画に出演する誰も死なない。なぜなら、この映画のタイトルは”ハッピーエンド”だから・・・」
いきなり映画は何十年か前にさかのぼる。ストーリの始まりだ。
・・・どうしよう、貴重な休日の時間。。。
「あー、やることいっぱいあるし、映画なんか見ている場合じゃないのだー!」
「電源切れ!」
「チャンネル変えよ!」
それら内なる声を、あえて無視。ずるずる画面に引きずられる。
タイトルにも惹かれる。
たくさんの、脈絡のない人たちが登場する。
恋愛あり、親子愛あり、ゲイの愛あり、友情あり・・・
いっぱいもめて、けんかして、決別して、だまして、裏切られて、
みんな、不器用ながら一生懸命生きていて、失敗してもほほえましさがあって。
だんだん、それらの脈絡なかった人たちが、それぞれにつながってくる。
終盤、ヒロインが走ってる画面に戻るが、車にはねられた彼女は、軽症だった。
その時点からさらに何年かすぎたある日、ある登場人物の豪邸のパーティにみんなが集っている。
しかるべきパートナーと、あるいはしかるべき形で、ハッピーな顔をして、お酒をのみ、ダンスをし、映画は幕を閉じる。
みんなが、それなりに自分の居場所をみつけた、そんなエンディング。後味のいい終り方。
全体をとおして、根底に愛とペーソスがあふれた映画だった。
予定がひとつ飛んだけど、ま、いいか。ハッピーエンドとしよう。