心の琴線。
それは、不意にかき鳴らされることが多い。
かき鳴らされると自動的に涙腺が全開になる。
それは、意識しないで起こる。
音がどうとか、リズムがどうとか、そんなこと考える余裕も与えず、もっと原始的なやりかたで、直接、聴く人の心の弦をかき鳴らす。
いや、もっと激しく、心そのものをわしづかみにする。
大好きなピアニストA・Sさんのライブ。
毎曲、テーマがシングルトーンで始まると、即、その現象が起こった。
華麗にフェイクしたりアドリブしたりしなくても、いい。
テーマのメロディを聴いているだけで、涙がボロボロこぼれるライブだった。