幼いころ、よく自分で即興のうたを歌っていた。
楽しい気分のときは自然とメジャーのメロディ、叱られたときや悲しいときは、マイナーのメロディになった。
コール・ポータ-の “Every Time We Say Goodbye” では、心の音楽が、好きな人といるときはメジャーなのに、さよならをいうとマイナーに変わってしまうとうたっている。変わってしまうというところだけ、コードがマイナーアレンジになる。なんて繊細な曲だろう。
(この曲の、「さよならを言うたびに少し死ぬ」という歌い出しも好きだ)
彼の曲は、メジャーかと思うとマイナーになって、そうこうするうちまたメジャーになったりと、調べがよく変わる。その境目をさまよっているようなものも多い。
まるで人間の心模様をあらわしている。
そういえば子供のころは、「悲しい」や「嬉しい」がはっきりしていた。太い線でくぎれるぐらいだった。
でも大人になると、いろんな感情が複雑にブレンドされてくる。メジャーとマイナーが入り乱れたり、どっちつかずだったり・・・。
まさにコールポーターのメロディだ。
でも、ひとつ付け加えると、彼の曲、エンディングはメジャーで終るパターンが多いような気がするな・・・