1979年にニューヨークでめちゃ流行っていたRupert Holmsのポップス曲”Escape”。イントロや間奏が特徴的でリズミカルな、楽しい曲だとは思っていたけど、当時、歌詞までは吟味していなかったわ。
SNSどころか、Emailもなかった時代。ププッとなる曲です。(下にアイコ訳あり)
I was tired of my lady, we’d been together too long.
Like a worn-out recording, of a favorite song.
So while she lay there sleeping, I read the paper in bed.
And in the personals column, there was this letter I read:
“If you like Pina Coladas, and getting caught in the rain.
If you’re not into yoga, if you have half-a-brain.
If you like making love at midnight, in the dunes of the cape.
I’m the lady you’ve looked for, write to me, and escape.”
I didn’t think about my lady, I know that sounds kind of mean.
But me and my old lady, had fallen into the same old dull routine.
So I wrote to the paper, took out a personal ad.
And though I’m nobody’s poet, I thought it wasn’t half-bad.
“Yes, I like Pina Coladas, and getting caught in the rain.
I’m not much into health food, I am into champagne.
I’ve got to meet you by tomorrow noon, and cut through all this red tape.
At a bar called O’Malley’s, where we’ll plan our escape.”
So I waited with high hopes, then she walked in the place.
I knew her smile in an instant, I knew the curve of her face.
It was my own lovely lady, and she said, “Oh, it’s you.”
And we laughed for a moment, and I said, “I never knew”.
“That you liked Pina Coladas, and getting caught in the rain.
And the feel of the ocean, and the taste of champagne.
If you like making love at midnight, in the dunes of the cape.
You’re the love that I’ve looked for, come with me, and escape.”
妻にはもうときめかない。俺たちは長く一緒に居過ぎたんだ。
好きな曲を何度も聴き過ぎてすり減ったレコードみたいなもの。
妻が寝息をたてはじめた横で、ベッドで新聞をよんでたら、
投書のコラムにこんな書き込みを見つけたんだ。
「あなたがピナコラーダが好きで、雨に濡れるのが好きで、
ヨガなんかにはまってなくて、ちょびっと教養があって、
真夜中に海辺の砂丘で愛を交わしたいなんて思っているなら、
あなたの求める女はここにいるわ。連絡して。ふたりでエスケープしましょう。」
妻のことは頭をよぎらなかった。よくないのはわかってるさ。
でもお互い、日々同じことの繰り返し。いわゆる倦怠期だね。
だから思い切って投書欄に、コメントを送ったんだ。
詩人とまではいかないけれど、悪くはない出来だとおもう。
「僕はピナコラーダがすきで、雨に濡れるのもすきだ。
そんなに健康オタクでもなく、でもシャンパンにはうるさい。
まずあすの正午に会って、わずらわしい日常から解放されよう。
オマリーというバーで、ぼくたちのエスケープ計画を立てよう」
かくしてドキドキしながら待ってたら、彼女が入ってきた。
いきなり見覚えのあるその微笑み、知りすぎた顔の輪郭。
ぼくの古女房である彼女は言った「あんただったの」
ふたりで少しのあいだ笑って、俺は言った「知らんかった」
知らんかった、君が、ピナコラーダが好きで、雨に濡れるのがすきで、
海のにおいや、シャンパンの味にときめいていたとは。
もし君が、真夜中に海辺の砂丘で愛を交わしたいと思っているなら、
僕の求める女は目の前にいたんだな。ふたりでエスケープしよう。